ウイルス除去にアルコールに頼りすぎないでください。
ウイルスは構造的に内側から、
1)遺伝子(核酸)
2)カプシド(タンパク質)
3)エンベロープ(タンパク質を含む脂質:脂質二重構造)
2)カプシド(タンパク質)
3)エンベロープ(タンパク質を含む脂質:脂質二重構造)
に分けられます。
インフルエンザウイルスやコロナウイルスといったエンベロープを持つウイルスは1)~3)(下図3or4)を持ち、エタノールや石鹸などの界面活性剤が最外層にあるエンベロープを破壊することで、ウイルスを不活性化(感染力の喪失)できます。
しかし、ウイルスの中にはエンベロープを持たないものもおります(下図1or2)。これは上記1)と2)で構成され、最外層がタンパク質でできたカプシドで被われており、エンベロープよりもエタノールに強いため、エタノールによるウイルスの不活化がされにくいとされています。
このエンベロープをもたないウイルスには、
・コクサッキーウイルス(手足口病、ヘルパンギーナ)
・アデノウイルス(上気道炎、結膜炎、胃腸炎)
・エンテロウイルス(出血性結膜炎)
・ノロウイルス、ロタウイルス(嘔吐下痢症)
・アデノウイルス(上気道炎、結膜炎、胃腸炎)
・エンテロウイルス(出血性結膜炎)
・ノロウイルス、ロタウイルス(嘔吐下痢症)
等があります。これらのウイルスの感染を予防するには、アルコール消毒ではなく、石鹸と流水で手を洗うこと(物理的処理)が重要となります。
ご参考資料:https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000645359.pdf
エタノール消毒だけに頼らないようにしてください。